愛知県弁護士会所属 弁護士 服部一将 かにえ法律事務所

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8月 05 2015

相続専門研修2

 以前もブログで触れたことのある「相続専門研修」に参加してきました。

 

 今年の10月1日から愛知県弁護士会で始まる「相続専門相談」の登録要件の1つとなっている研修です。

 

 5月には事例検討会が行われ,それにも参加してきましたが,昨日は「相続税」と「事業承継」に関する研修でした。

 

 相続税については,今まで業務に必要な範囲で知識を身につけてきましたが,まとまった説明を国税局の職員から聞くことができ,頭が整理されました。

 

 相続税の申告そのものは税理士さんにお任せすることになりますが,その前段階として概要を知っておき,依頼者・相談者の方に説明できるようにしておきたいと思います。

 

 

 

 


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8月 03 2015

熱中症予防と塩分補給

毎日暑い日が続いていますね。

 

熱中症対策として,適切な冷房の活用や水分補給と並んで「塩分」補給の必要性について見聞きします。

 

でも,日本人の食生活は塩分を摂取しすぎだったはずで,「いったいどういうことなんだろう?」と前から疑問に思っていました。

 

ネットで調べてみると,どうやら「大量に汗をかいた後は」塩分を補給した方がいいようです。

 

部屋の中にいてジワジワ汗をかいた場合には塩分を補給する必要はなさそうです。

 

というわけで,通常は塩分補給は食事で十分ということですね。

 

いずれにしろ早く涼しくなってほしいなあと思います。


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7月 31 2015

樺太に本籍地?

終戦時までの本籍地が樺太にあったという方が今でもいらっしゃいまして,そうした方の相続に関わったことがあります。

 

旧樺太の戸籍はごく一部だけは残っているそうで,外務省に保管されています。

 

そうした場合は外務省に請求して戸籍簿(厳密には戸籍法上の戸籍簿ではないらしい)の写しを取得することになりますが,ほとんどの場合は保管がありません。

 

保管されていない場合は,外務省に請求すれば保管していない旨の証明書を発行してもらいます。

 

不動産登記には,相続人全員による「他に相続人はいない旨の上申書」も提出する必要があるようです。

 

 


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7月 28 2015

成年後見人の権限拡大

成年後見人は、判断能力が不十分な方の代わりに、あるいは支援して、預貯金や不動産などの財産管理をしたり、福祉施設や介護サービスに関する契約を締結したりすることによって、ご本人を保護・支援します。

 

新聞報道によると,そんな成年後見人の権限を拡大し,現在は法的に認められていない郵便物の開封や死後の火葬手続きなどを後見人が代行することを認める内容の議員立法が進んでいるそうです。

 

今までも後見人は仕方なく事実上やってきた行為ですが,法的に位置づけられることになりそうです。

 

郵便物の開封はともかく,死後の火葬手続きについては,私もやむをえずやったことがあるのですが,法的には権限がないのに事実上やってしまうというのは気分がよくありませんでした。

 

良い方向の改正ではないかと思います。

 

現在の法制度では,被後見人の死亡と同時に後見人の権限は一切なくなることになっているのですが,未払いの病院代の支払いや火葬の手続きなどは,親族がいない(あるいは,いても頼りにすることができない)場合は,事実上,元後見人がやらざるを得ないのですよね。

 

 


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7月 22 2015

遺言控除

 自民党の委員会で,遺言に基づいて遺産を相続すれば相続税の課税対象となる遺産の額を減らせる「遺言控除」なる制度の導入が検討されているそうです。

 

 基礎控除に上乗せする形での導入になるようです。

 

 これが実現すれば,遺言作成は間違いなく増えるでしょうね。

 

 相続税がかかってくる相続は現在でも5~6%しかありませんが,遺言控除制度が実現すれば相続税がかかってこない予定の方が遺言書を作成することも増えると思います。

 

 今後どのような制度設計がなされるのか,注目していきたいと思います。


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7月 16 2015

自筆証書遺言ではなく公正証書遺言を勧める理由

 当事務所のホームページだけではなく,多くの弁護士・司法書事務所等のホームページにおいて,自筆証書遺言(全文を自筆で書き,印鑑を押す方法)ではなく公正証書遺言(公証役場で作成する方法)の作成が勧められています。

 

 その理由としては,以下のものが考えられます。

 

 

①形式面でのミスがほとんど考えられない
 

 

 自筆証書遺言でも弁護士・司法書士等の専門家に相談した上で作成されたものであればまだいいのですが,作成された方だけの判断で書かれたものには,「不動産の特定ができていない」「日付の特定ができていない」「相続財産に漏れがある」などミスが生じやすいです。

 

 その点,公正証書遺言であれば,法律の専門家である公証人(裁判官出身者,検察官出身者,法務局出身者など)が作成しますので形式面のミスはまず生じません。

 

 ただし,どんな財産があるのかはご本人しか分かりませんから,ご自分がどんな財産を持っているのかについては洗い出し作業が必要になります。

 

 

②原本が公証役場に保存されるため,遺言書がなくなったり,書き換えられたりするおそれがない

 

 自筆証書遺言では,せっかく作成した遺言書が遺族に発見されない可能性や,発見者が書き換えたり,他の相続人に見せずに隠してしまう可能性があります。

 

 この点,公正証書遺言では,作成時に原本と同様に遺言執行に用いることのできる正本・謄本をいただけるほか,原本そのものを公証役場で保管しています。

 

 最近では,さらにデジタル保存の取り組みもなされていますので,「津波や地震で公証役場の入っているビルが倒壊した!」という場合でも安心です。

 

 

③自筆の場合に必要となる「検認」が不要

 

 自筆証書遺言は,作成時には費用がかからず手軽ですが,相続発生後に「検認」手続きが必要です。

 

 「検認」とは,遺言書を確認し,現状を確保する手続きで,家庭裁判所で行います。

 

 検認手続きの申立てには,被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本が必要になり,家庭裁判所から相続人全員に連絡が行くことになります。

 

 申立てをしてから1か月~2か月後くらいの時期に検認を行う日が定められ,出席した相続人の面前で裁判官が検認をしてくれます。

 

 このように,作成には費用や手間が少ない自筆証書遺言ですが,検認手続きに時間がかかってしまいますし,申立てを弁護士に依頼したり,司法書士に申立書類を作成してもらったりすれば費用もかかります。

 

 特に時間がかかってしまう点は,無視できないデメリットではないでしょうか?

 

 遺言書に封がされている場合(通常,封はされています。),検認を行うまで開封してはいけません。

 

 したがって,封がされていると検認日までどんな内容の遺言書であるのか分からず,落ち着かない日々を過ごすことになります。

 

 相続人に不安や手間をかけさせる自筆証書遺言よりも,公正証書遺言の方が優れていると言えるのではないでしょうか?

 

 

④無効の主張をされる可能性も小さい

 

 自筆証書遺言では,「本当は別人が書いた遺言だ」「誰かに言われて訳も分からず書いたものだから無効だ」などと主張される可能性が,公正証書遺言に比べて大きくなります。

 

 公正証書遺言では,公証人による本人確認を経ていますから「本当は別人が書いた遺言だ」と主張されることは通常考えられませんし,自筆証書遺言よりも無効の主張は難しいと言えます。


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7月 15 2015

自動車保険の特約~搭乗者傷害保険

 ケガに関する自動車保険の特約として,人身傷害保険のほかに「搭乗者傷害保険」があります。

 

 人身傷害保険に比べると付けていない方も多い特約です。

 

 搭乗者傷害保険は,ケガの部位や通院日数に着目して定額が支払われるもので,わかりやすく言えば,相手方からの賠償金のほかに「おまけ」のようにもらえる特約です。

 

 死亡事故や重大な後遺障害が残ってしまった場合以外は,5万円~50万円程度の低額の支払いにとどまる場合がほとんどです。

 

 人身傷害保険では,相手方からの賠償金より先に人身傷害保険金を受け取ると,相手方に請求できる賠償金が少なくなりますが,搭乗者傷害保険は「おまけ」ですのでそうしたことはありません。

 

 搭乗者傷害保険が特約として付いている場合には,保険会社からの案内文等をよく読んで忘れずに請求するようにしましょう。


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7月 13 2015

自動車保険の特約~人身傷害保険

 皆様が契約しておられる自動車保険において,特約として「人身傷害保険」が付いていることがよくあります。

 

 どんな特約なのでしょうか?

 

 保険会社によっても少しずつ内容は違うかと思いますが,人身傷害保険が威力を発揮するのは次のような場合です。

 

 保険金の支払い基準は自賠責保険の基準に近い部分が多いものの,違う部分もあります。

 

 ①自損事故

 

  自損事故の場合,相手がいませんので当然「相手方保険会社に請求する」などということはできないわけですが,人身傷害保険が付いていれば,人身傷害保険から保険金がおります。

 

 ②相手方が自賠責保険や任意保険に加入していない場合

 

  相手方が自賠責保険にも加入していないという場合(車検切れの車を運転していた場合など),政府保障事業による損害填補の制度がありますが,人身傷害保険が使える場合にはこちらを使うことになります。

 

  相手方と交渉することなく,治療費や慰謝料の支払いを受けられますので便利です。

 

  ③こちらに過失がある場合

 

  こちら側に過失がある場合,相手方から受け取る賠償金は,過失割合の分を減らされてしまいます。

 

  しかし,人身傷害保険が付いている場合,自分の過失割合部分についても人身傷害保険基準ではありますが支払いを受けることができます。

 

  また,こちら側に100パーセントの過失がある事故についても人身傷害保険を使うことができます。

 

 

 

 

 

 


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6月 30 2015

親族後見人による不正への対策 ②後見制度支援信託

 

 

 後見監督人を付ける方法と並んで,親族後見人による不正防止策として行われているのが「後見制度支援信託」です。

 

 後見制度支援信託とは,被後見人の財産のうち,日常生活に必要な金額以外の金銭を信託銀行に信託してしまうというものです。

 

 信託銀行に預けてあるお金を使う必要ができた場合には,家庭裁判所に申し出て指示書を発行してもらい,その指示書を使ってお金を入手することになります。

 

 この制度は法律上に根拠があるわけではありませんが,平成24年2月に開始され,新規案件だけではなく,既に後見が開始している案件についても利用が進んでいるそうです。

 

 名古屋家庭裁判所では,預貯金総額が1200万円以上あり,親族を後見人とする案件では,原則として,後見監督人あるいは後見制度支援信託を利用する運用となっているようです。

 

 専門職の後見監督人を付けると監督人報酬がかかりますが,信託銀行に信託する場合には,信託報酬がかかるものの,監督人報酬に比べれば安いという事情があるそうです。

 

 しかし,後見制度支援信託を利用する場合,既存の預貯金については解約ないし大幅な引き出しをすることになりますので,そうした点に抵抗感を感じる方もあると思います。

 

 なお,後見制度支援信託を利用する場合,信託完了までは専門職が後見人をつとめ,信託完了後は親族が後見人に就任する(専門職後見人は辞任する)「リレー方式」,あるいは,親族後見人と専門職後見人がそれぞれ権限を分担して後見業務をおこなっていく「複数方式」とがあるとのことです。

 

 


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6月 24 2015

親族後見人による不正への対策 ①後見監督人を付ける

 先日,成年後見に関する研修に出席してきました。

 

 その研修で聞いてきた最近の成年後見に関する情勢について触れたいと思います。

 

 近年,成年後見人による被後見人(認知症等により成年後見を開始した人)の財産を横領する事件が多発しており,1年間の被害額が数十億円にものぼっています。

 

 弁護士・司法書士等の専門家後見人による横領事案もありますが,被害額や被害件数では親族後見人によるものがほとんどのようです。

 

 裁判所もこうした事態へ対策を打ち出していまして,①弁護士・司法書士等の専門家を後見監督人に付ける,②後見制度支援信託を使う,という2つの方法が行われています。

 

 まず,①についてご説明します。

 

 後見監督人というのは,民法上に定められている制度で,かんたんに言えば読んで字のごとく後見人を監督する人のことです。

 

 後見人に対しては家庭裁判所が監督しているともいえるのですが,裁判所の体制上,十分な監督がなされているとは言いがたい状態にあります。

 

 そこで,弁護士等を後見監督人として付けて,後見人が定期的に後見監督人に財産状況等について報告するようにすることで,被後見人の財産が侵害されるのを防ごうというものです。

 

 ただし,弁護士等を後見監督人として付ける場合には報酬が必要になります。

 

 報酬の額については裁判所が決めるのですが,以前もご紹介した「名古屋市成年後見活用ハンドブック」によると,被後見人の財産額が5000万円未満の場合には,月額1万円~1万5000円,財産額が5000万円以上の場合には,月額2万円というのが目安のようです。

 

 現在,名古屋家庭裁判所では,新規に成年後見を開始させる案件では,預貯金総額1200万円以上の場合,後見監督人あるいは後見制度支援信託の利用を検討する運用になっているようです。

 

 また,すでに成年後見を開始している案件についても,適宜,後見監督人あるいは後見制度支援信託の利用を検討する運用のようです。

 

 従来のように,特に親族に紛争のない案件では,申立書に記載したとおりの親族後見人が選任され,後見監督人等は付かない,というわけにはいかなくなってきているということですね。

 

 長文になってきましたので,後見制度支援信託については次回に触れたいと思います。


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